~長女はつらいよ~墓じまい体験談【3】 お墓の移転と永代供養を検討する

前回は、健康そのもの、生涯現役と思われた父の入院の話をしました

あっぱれ

病気と違って、ケガは突然やってくるよね。他人事じゃない

むしろシニア世代ならではの「自分は大丈夫」という過信があったのだと思う。今日は、その後の実家のお墓参りのことです。

 

前回のお話はこちらから

 

親戚とお墓まいり

父が入院した翌日、

遠方から帰ってきた親戚と一緒に、実家のお墓まいりにいきました。

実家に帰ってくると、かねてから感じていた兄(つまり私の父)と兄嫁(つまり私の母)に対する「不平不満スイッチ」が入ってしまったのか、お墓まいりに行く道中、過去のあんなこと、こんなことを私に語り始めました。

 

幸い、私は親戚にはかわいがられていた・・とは、思うのですが、自分の親を悪く言われて気分が良いはずありません。

いわゆる「板挟み」です(親は知る由もないが・・・)

とはいえ、せっかく帰ってきてくれたのだから、少しは父に対しての愛情もあるのかもしれない。

と思いながら、お墓のあるお寺に到着しました。

あっぱれ

ここに文子ども時代の兄弟と違って、大人になると血縁関係だから仲が良いとはならないんだね

骨肉の争いという言葉があるように、逆にこじれてしまう可能性も高いのかもしれない。だから、エンディングノートとか、遺言とかが必要なのかも

 

草に覆われたお墓

お寺に到着し、一緒にお墓まいりをしました。

お寺の住職さんにご挨拶をし、御堂内の仏壇に手をあわせ、外でお水を汲んで、さあ、山登りです。

いつものように、山の階段を登りました。

父は当分お墓まいりができないので、私の役目になりそうです。

時おり振り返るうちに、やがて見えてくる海。

ハードだけど、この景色が大好きで、子どものころは「ヤッホー」とさけんでは、こだまが返ってくるのを楽しんだなあ。もうあの頃は戻ってこないんだな。

父があんな姿になってしまったことが、心に重くのしかかります。

さて、登っていくにつれ、なんだかいつもと様子が違う。

お盆前ということで、ややお墓まいりの時期からはズレていたものの、登っても登っても墓石が目に入ってこない。

「・・・雑草が多すぎる」

注:イメージです・・。

環境整備が行き届かず、実家のお墓は草に覆われ、お墓までの道もすっかり草にふさがれていました。
しばし呆然とする私たちでした。

手入れが回らない寺

一緒に登った親戚の気持ちを推し量る余裕もなく、

「おじいちゃんがこれではかわいそうだ・・・」

と、とりあえず草をかきわけ、お墓にたどり着き、一通りの形だけの掃除をし、手を合わせて下山しました。

下山してすぐに、住職さんにお墓のありさまを伝えました。
私が明らかに不快に感じているという雰囲気を察したのでしょう、

 

住職さん:「お嬢さん、そうは言っても、難しいんですよ。分かってください」

 

あきらかに迷惑そうな口調で、私にそう伝えられました。

もうお寺の方も山の手入れができなくなるほどなのか・・・。
そういえば、住職さんも御病気等をされていると、母から聞いたことがある。

子供の頃にはわからなかった大人の事情。

「お墓を守るって大変だなあ・・」

としみじみ思いました。

 

今後のお墓の世話は、誰がするのか問題

お墓まいりをしたあと、親戚は相変わらずぶつぶついいながら、新幹線で帰っていきました。

今後、この父の兄弟が、とんでもない波風を立てていくのですが、それはまた後日・・。

 

父は相変わらず調子が悪く、誤嚥性肺炎も起こし、意識はもうろうとしていました。

何度か医者に「ヤマです」と言われたものの、悪運が強いのかどうなのか?
徐々に最悪な状態は抜けていきました。

足の悪い母は、仕事を終えた後に、つきっきり。
お墓はあんな状態であったと報告をしつつ、父も気になるし・・・

と。

そのとき、1歳の息子は同居の義両親がしっかり見てくれました。

鬼の同居嫁でしたが、今はその時のこと、とても感謝しています。

そんな中、母に、あのお墓のありさまを伝え、母も

「もう、お父さんも私も山に行けないかもしれない」

と。

嫁に出た私が、あの山にずっと登りつづける。
できないことはないけれど、私が行けなくなったら誰がこのお墓を?

妹をあてにするのは、やや不安が残ります。

問題は重くのしかかりました。

転院先の病院探しに苦労をする

 

あっぱれ

ここに文お墓を見る人がいなくなったら、それこそお墓が荒れるよね

私まではなんとかなっても、子どもたちが世話をするとは思えないし・・。地元に残るかどうかも怪しいし。

あっぱれ

ここに文そんな問題を抱えている、シニア世代ってたくさんいると思うよ

シニア世代は、転院も難しい

 

さて、入院生活も3ヶ月目となり、救急で運ばれた大病院は長く入院をすることができず、次の病院を自分たちで探さなくてはならないということに。

未だ、起き上がることができませんが、命に別状が無くなった時点で、転院というシステムだそうです。

リハビリ病院はことごとく断られ、(入院から転院まで2ヶ月程度の患者のみというところとか、空きが無いとか)、頭を打っていることもあり、脳神経外科も視野にいれ、あとは地元の中堅総合病院をあたることに。

そんな中、当時の幼稚園のママ友さんが同郷で、ご家族が入院されていた病院が良いとアドバイスが。

そこからトントン拍子に転院先が決まり、リハビリ前という情報とは違って、寝たきりの父をみてかなり困惑はされていたものの、無事に転院を済ませることができたのでした。

人の縁ってありがたいです

転院先での出会いで「お墓の移転」を考える

 

転院先では、母が毎日仕事が終わったあと、病院へ通っていました。

母もこれを機に、仕事を辞めることになりました。

いろいろと実家の事情が変わる中、病院での暮らしはスムーズに過ぎ、同室の方ともコミュニケーションが取れているようでした。

父はリハビリをする段階になり、一歩一歩着実に前に。

しかし、もう前のようなハツラツとした歩きはできません。

お墓まいりの問題は、母の心にずっとあったらしく、いつものように同室の方とのお喋りの中でぼやいたところ、年配の男性から思いがけない言葉が。

「今度、●●寺に納骨堂ができるらしいですよ。永代供養もしてもらえるとか」

「永代供養?」

初めて聞く言葉だと、母が電話口で私に伝えたのでした。

先祖代々、おまいりしていたあの墓を移転する・・・。

 

お墓の移転事情

あっぱれ

最近、ニュースでも「墓じまい」がテーマに取り上げられたりしているよね

NHKのあさイチでも特集が組まれていたし、クローズアップ現代でも取り上げられていたのを見ました。家を継がない子供たちが増えて、「お墓を守る」という習慣が薄れてきたのも昨今の事情です。

あっぱれ

遅かれ早かれ、無縁仏になっていくのは目に見えている。だからこそ、私たちの世代でお墓のありかたを考えなくちゃいけなくなってきた

父の入院を機に、代々続いてきたお墓をしまう。

私と母の決断を引き続き、綴っていきます。

 

長女はつらいよはこちらからまとめてよめます
https://www.appare-senior.com/2019/11/24/cho01/

 

 

 

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